TSUZAKIレポート

TSUZAKIレポート 目次

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知りたがり、会いたがり、行きたがり、見たがり・・・etc
おのれの本能と欲望の赴くまま、アンテナにビンビンひっかかったら直接取材しよう!

そんな勢いで飛び込んできたお酒にまつわる突撃レポート!です。少しずつ拡充させていきたいと思っております。

過去に飲食店様向け情報カタログ「BOTTLES」にて掲載した記事もUPいたします。あわせてご覧ください。



TSUZAKIレポート 幻の大麦「ベア種」
GM社 社長 マイケル・ウルクハート氏に聞く

第2蒸留所稼働!進化を続ける秩父蒸留所の今

2008年の秩父蒸留所稼働から早11年。時代をリードしてきた秩父蒸留所の第二蒸留所をレポートする


秩父第2蒸留所レポート


秩父第2蒸留所

株式会社ベンチャーウイスキー秩父蒸留所 プロダクションチーフ

第2蒸留所スチルマン 門間 麻菜美氏

にお話を伺いました。


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TSUZAKI(以下(T))

実際に第2蒸留所を稼働させてみていかがですか?


秩父蒸留所 門間麻菜美氏(以下(門間))


今はまだ設備に慣れる段階です。何より大きい(笑。

特に発酵槽は環境が整っていないので発酵時間を長めに取っています。今は設備に慣れ育てる時間だと思っています。

発酵と蒸留の工程を分けてシフトを組んで動いていますが、いずれは1人ですべての作業を行えるようにしていく予定です。第2としてどんな色を出せるのか楽しみです。


秩父第2蒸留所レポート

取材日はマッシング(糖化)作業がない日だったため、マッシュタンの底まで確認できました。



(T)第1と第2を比較していかがですか?


(門間)スケールアップしているだけでポットスチルの形状も同じですし、我々がやることは同じです。異なる点といえばウォッシュバックの材が違うこと、ポットスチルが直火式加熱であること、固定配管であることです。

秩父第2蒸留所レポート

合計5基のウォッシュバックが並ぶ姿は圧巻!こちらはキャットウォーク下から撮影。5基ともフランスのタランソー社製。高級フレンチオーク樽の生産者に特注したもの。



(T)ウォッシュバックの材の違いはどんな影響がありますか?


(門間)まだ発行が安定していませんので明確な違いをお応えできるデータを収集中ですし、一概に言えませんが、ウォッシュ(麦汁)の違いは感じています。第1はミズナラ材ですが、第2はフランスのタランソー社製のフレンチオークを採用しています。

はじめのうちは、木が元気だからアクがあったり、菌が住み着いていなかったりするのではっきりとした違いが分かるようになるのはまだまだ先だと思います。

秩父第2蒸留所レポート

3日目の麦汁はすでに泡が落ち、バナナのような甘い芳香が漂っていました。



(T)ニューポットはいかがですか?


(門間)第1とは全然違います。うまく表現できませんが、個人的には第1よりもぬめっとしているというか重さを感じます。スケールアップすると酒質が軽くなると諸先輩方から聞いていたので、スチルを直火にすることで重さを失わずフルーティーさを保てればと思っています。今のところ狙い通りです。

第2も第1と同じようにヘビーは狙いたいので、どれだけ重さを出していけるかが第2のテーマです。第1は軽やかさもあるヘビーでフルーティーな特徴がありますが、第2はもっとヘビーさが出ていると思います。

秩父第2蒸留所レポート

第2蒸留所のスピリットセーフ。ポットスチル同様英国のフォーサイス社製。まだまだ真新しい。



(T)第2でのご苦労があれば教えてください。


(門間)第1はホースワークですが、第2は固定配管です。作業が効率化できる反面、液体の動きが見えないので難しい部分もあります。第2には全部で100個を超えるバルブがありますので、1つ1つの作業を確認しながら行っています。もし、間違えれば大惨事です(笑。そこは怖いところでもありますね。

私は、設計の段階からプロジェクトに携わってきましたので頭には入っているのですが、ほかのスタッフにはセットアップの段階から現場に立ち会って頭に入れてもらいました。今のところ大きなトラブルはありません。

秩父第2蒸留所

ポットスチルのバーナーの制御盤。これでバーナーの出力を調整。



(T)門間さんは第2ではスチルマンとしてデビューされたということですが、いかがですか?


(門間)とてもワクワクしています。ワクワクしかないです。でも、すごく緊張します。

なので、今は毎回カットしたものをチェックしてもらっています。第1でカットポイントを確かめたりと勉強させてもらっていたので、今に生かせているかなと思います。実際に始める前は自分にできるのか心配だったのですが、思っていたより意外とできるものだな、と(笑。


 秩父第2蒸留所

初溜釜の前で撮影。初溜、再溜ともに直火式加熱を採用しており、バーナーで加熱。



(T)第2で試みたい新たな挑戦はありますか?


(門間)今が挑戦中です。まずは新しい設備に慣れることが先決ですし、新しい設備で造るということ自体が新しい挑戦です。第1とは別の技も身につくはずですし、もっと自分自身が成長できると思っています。それ自体が喜びですね。

発酵槽がどう育っていくのかも楽しみですし、第2としてどんな色を出していけるのかも楽しみです。まずは本格稼働できるようになるのが一番の目標です。


秩父第2蒸留所レポート

蒸留棟の隣に併設された第6貯蔵庫。3年程度でいっぱいになりそうだとのこと。すでに敷地内に第7貯蔵庫の予定地を確保しており、現在、地盤調査中。


秩父第2蒸留所レポート

第2蒸留所の門。地元の作家さんによる作品で、大麦とポットスチルが配された印象的なデザイン。


第1と比較して格段に大きくなった第2蒸留所。とにかくキレイな工場でした。
終始楽しそうにお話しいただいた門間さんに「一番楽しい瞬間は何ですか?」とご質問したところ「え~、全部!!」という答えが返ってきたのが印象的でした。



本当にウイスキー造りがお好きなんだと実感した瞬間でもありました。本当に楽しそうで、ウイスキー愛に満ちておられました。だからこそ飲み手に感動を与えられるウイスキーを生み出せるのかとまざまざと感じました。今後の秩父蒸留所はますます目が離せません!

あしがくぼウイスキー学校

2019年10月29日(火)30日(水)の二日間開催された『第1回あしがくぼウイスキー学校』。日本各地から集まったウイスキーファンと共にディープな2日間を体験!その模様をかいつまんでご紹介!珠玉の2日間を振り返ります。

あしがくぼウイスキー学校

「あしがくぼウイスキー学校」の会場となった秩父郡横瀬町の「芦ヶ久保(笑)学校」は、平成20年に閉校となった元小学校。現在は、横瀬町が管理しており、撮影やイベント、ミーティングなどにレンタルされるなど人の集まる場所として活用されています。
廊下や教室には閉校当時の掲示物や備品や子どもたちの思い出の記録がそのまま残っており、どこか懐かしく楽しい雰囲気が伝わってきます。木造の風情ある佇まいも情緒があって素敵ですよね。

あしがくぼウイスキー学校2018

最寄り駅「芦ヶ久保駅」のホームを降りると掲示板には「あしがくぼウイスキー学校 ご入学おめでとうございます。」の文字が!駅員さんたちからの歓迎がお出迎えしてくれました。否応なしに期待が高まります。

あしがくぼウイスキー学校2018

受付を済まして体育館へ入ると、ステージには「入学式」の看板が掲げられています。クラスごとに整列して、いざ入学式!

あしがくぼウイスキー学校2018

校長先生のあいさつから始まります。校長先生を務めるのは、横瀬町の町長、富田能成さん。続いてセミナー講師の皆さんを紹介。クラス担任の先生や風紀委員、保健の先生、体育の先生、用務員さんなどもいらっしゃいました!

あしがくぼウイスキー学校

授業は全部で5コマ!社会、算数、生物、理科Ⅰ、理科Ⅱがありました。

あしがくぼウイスキー学校 

社会の先生は、アルケミエ辰巳蒸留所オーナー 辰巳祥平氏。
「世界を旅して見えた蒸留器の魅力!」と題して、学生時代から世界中の蒸留器を実際に見て回った辰巳さんならではの視点で蒸留器の世界を紐解いてくれました。現在の蒸留所にどうつながっていったのかとても興味深い授業でした。

算数の先生は、㈱ベンチャーウイスキー ブレンダー 三澤秀氏。
「ウイスキーをアレする計算と実習!」と題して、蒸留所でのあの大事な仕事にフォーカス!そう!「ウイスキーの割水」です。LPA(Litter of Pure Alcohol)を実際に計算して求めてみよう!という製造現場を垣間見れるマニアックな授業です。

あしがくぼウイスキー学校 

生物の先生は、㈱ベンチャーウイスキー 森のスペシャリスト 永竹翔太氏。
「そこにミズナラがあるから!」と題して、気になる木の話を。とっても気になる授業です。木だけに...(ちなみにこれらのダジャレは時間割にちゃんと載ってます。あしからず)。

東大で研究してきたミズナラの今とベンチャーウイスキー社のミズナラ材の買い付けの様子やこれからの展望などを紹介してくれました。授業では、実際に樽材として使用される3種類の木片の見本を手に取って重さを比べたり、香りを嗅いだり、年輪や木肌を観察したりできたことがとても勉強になりました。

理科Ⅰの先生は、サントリースピリッツ㈱の技術顧問を務める鳥井和之氏。

「蒸溜酒学!」と題して、ウイスキーの製造プロセスを柱に、スピリッツ、特にテキーラ、ラムとの類似点と相違点を解説。最近の業界の動向についても網羅した30分では収まり切れない充実した授業内容でした。

あの「ROKU」の開発にも携わったキーマンでもある鳥井氏。あまりセミナーを行わなっていらっしゃらないとあって注目の授業!ほかの授業の先生方も授業を受けにいらっしゃっていました。

あしがくぼウイスキー学校2018

理科Ⅱの先生は、㈱ベンチャーウイスキー プロダクションチーフ 門間麻菜美氏。

「麦が麦芽に変わるまで!」と題して、ウイスキー造りにおける麦芽について詳細に解説。フロアモルティングもこなす門間氏が原料についてわかりやすく説明してくれました。

あしがくぼウイスキー学校2018

学校なので、お昼ご飯はもちろん「給食」です!給食を提供してくれた「横瀬そばの会」の皆さん。1日目は「横瀬そば」、2日目は「猪肉カレー」でした。おいしかった~!!

あしがくぼウイスキー学校2018あしがくぼウイスキー学校2018

あしがくぼウイスキー学校2018

給食の時間はクラスごとに体育館に集合して。

あしがくぼウイスキー学校2018

「みんな仲良く分け合いましょう」と書かれたフリーテイスティングブースも用意されており、貴重なボトルがズラリ!

あしがくぼウイスキー学校2018

こちらは太田甘池堂さんの「古代秩父煉羊羹」。上品な甘みとしっかりとした歯ごたえの逸品。秩父神社のすぐ近くにもお店があるので、ぜひお立ち寄りを!こういった秩父の特産品もフリーで楽しめました。ブドウも美味しかった!

あしがくぼウイスキー学校

一日の始まりは「秩父ウイスキー体操第一」から。体操を通してウイスキー造りが学べる画期的?!な体操です。体育の藤井先生が指導してくれました。

あしがくぼウイスキー学校

生徒、先生、全員でウイスキー体操中。全国に広めるべく?!覚えて帰ろうと真面目に取り組む生徒たち。盛り上がりました。

あしがくぼウイスキー学校2018

保健の𠮷川先生は、レクリエーションの時間に模試を実施。ウイスキーとウイスキー学校にまつわる問題を出題。マニアックな問題から授業をきちんと受けていれば解る問題までウイスキーにまつわる様々な問題が出題されました。

あしがくぼウイスキー学校2018 あしがくぼウイスキー学校2018

あしがくぼウイスキー学校2018

クラス対抗で順位を競い合うとあって、次第に生徒の皆さんも必死になってきます。「あーだ、こーだ」言い合っているうちにみんなの距離も縮まっていきます。

「クラス対抗模試」の後は、「クラス対抗パン食い競歩」。生徒の皆さんはお酒を飲んでいるので、安全のためダッシュ厳禁!競歩で争います。アンカーは、持ち帰ったパンを完食したらゴール!こんなに楽しいパン食い競争は初めてでした。


あしがくぼウイスキー学校2018

1日目の授業が終わり、放課後は課外授業もありました。
2組の担任は「Highlander Inn Chichibu(ハイランダーイン秩父)」の店長、福井先生だったこともあり、課外授業はお店で。


夜も更けてくるといつのまにかウイスキー学校の先生と生徒が集まっていました。古民家を改装した店内には秩父蒸留所で使われていた樽材を用いた装飾も!

お座敷や蔵BARもある素敵な空間です。秩父を訪れた際は、是非立ち寄ってみてください。スコットランド料理も楽しめます。しかもどれも美味!!


あしがくぼウイスキー学校2018あしがくぼウイスキー学校

この日、初お披露目だったのが池袋のJ's BARさんのオリジナルボトル「グレンファークラス1991」。この日だけ格安でグラスで頂けました。なんとも優しい癒し系なファークラスでした。

■Highlander Inn Chichibu(ハイランダーイン秩父)
  埼玉県秩父市東町16-1 tel 0494-26-7901
  営業時間 月~金 15:00~23:00 土・日 12:00~23:00




あしがくぼウイスキー学校2018

2日間のウイスキー三昧な楽しい時間はあっという間に「卒業式」。校長先生からのウィットに富んだウイスキー愛に満ちたお言葉の後、クラスの代表が卒業証書を授与されました。1人1人生徒の名前入り。

あしがくぼウイスキー学校


■主催者に話を伺いました!
秩父ウイスキー祭りの実行委員長で、あしがくぼウイスキー学校もプロデュースした「Bar Te・Airigh(バーチェアリー)」のオーナー横田武志氏。今回のイベントに込めた想いを伺いました。

あしがくぼウイスキー学校

最近のウイスキーイベントは、ありがたいことに来場者が増えた半面、生産者や輸入元とゆっくり話ができなかったり、ブースにすら近づけなかったりしてきました。もっと気軽にトークを楽しめるイベントができないかと企画しました。授業形式で他では聞けないディープな話が聞けて、楽しんで学んでいただこうというイベントです。

実際に参加された生徒さんたちからは「面白かった」「楽しかった」との感想を頂けてほっとしています。秩父ウイスキー祭りもしかり、イベントの生みの苦しみを経験しているので1回で終わらせるのはもったいない!ご好評いただいてもいるので来年以降も続けていきたいと思っています。1人でも多くの方にウイスキーと秩父の魅力を発信していけたらと思っています。

あしがくぼウイスキー学校

■「あしがくぼウイスキー学校」

お問い合わせ先  Bar Te・Airigh(バーチェアリー)
         埼玉県秩父市宮側町8-4石田ビル
         tel 0494-24-8833





マルス津貫ウイスキー祭り2019

津貫ウイスキー祭り2019
ステージで挨拶をする本坊和人社長


2019年11月10日(日)に開催された本坊酒蔵株式会社主催『津貫蒸留所祭り2019』。今年も天候に恵まれ、爽やかな秋晴れの下開催されました。


津貫ウイスキー祭り2019

今年も津貫蒸留所 製造主任 草野辰朗氏によるウイスキーセミナーが行われました。地元の方も多いお祭りとあって、ウイスキー初心者でもわかりやすく、でも、時にはマニアックなお話も織り交ぜた内容でした。

津貫ウイスキー祭り2019

ステージでは、洋樽の有明産業株式会社による樽メンテンナンスのデモンストレーションが行われました。日頃目にすることの少ない実作業を解説付きで間近で見ることができ、貴重な経験となりました。

もちろん、今年も来場者限定販売のボトルが2本リリースされました。

津貫蒸留所祭2019 来場者限定ボトル

津貫蒸溜所のシングルモルトとしての1stリリースが待ち遠しくなります。


マルス津貫蒸留所祭り2018

津貫ウイスキー祭り2018

2018年11月11日(日)に開催されたマルス津貫蒸留所祭りにスタッフの裕とよしえが参加!
会場には、朝から地元鹿児島はもちろん、県外からも多くの方が来場!改めて津貫蒸留所の注目度の高さを実感しました。

当日は、天気にも恵まれ11月とは思えない陽気でしたが、それにも負けない熱気あふれた会場の様子をお伝えします。

津貫ウイスキー祭り2018

会場ではNBA鹿児島支部の皆様による「HHAE」のハイボールが無料でふるまわれたほか、「和美人」のカクテルや初仕込み焼酎がありました。バグパイプ演奏など多くのステージイベントがあり、お酒とともに楽しむことができました。

津貫ウイスキー祭り2018

製造スタッフの草野さんによるウイスキー講座は、なんと祭開始直後にチケットが完売する人気ぶりでした。
講座は初心者にもわかりやすいウイスキー製造工程を主として、蒸留所スタッフのことや取り組みなど熱い思いをうかがうことができました。

津貫ウイスキー祭り2018

当日は、通常通り製造がおこなわれていたため、講座中に当日仕込んだマッシュ後の麦汁やニューポットのサンプルテイスティングもありました。
今後ウイスキーとして成熟していく原酒へ思いをはせている参加者の様子も見られました。

津貫ウイスキー祭り2018

最後には、草野さんが初めてブレンドを手掛けた新製品「駒ヶ岳津貫エイジング2018」が発売されるとの情報をいただきました。製品化にあたっては30~40樽の中から選定を行い、ブレンドしたとのこと。発売は、おそらく12月になるとのことでした。

ファーストのシングルモルトが出てくるのは、2020年に入ってからになるでしょうが、製造3年目を迎えて、ますます待ち遠しくなりますね。

別の機会に草野さんとお話しさせていただいたときに、「さすがマルスのウイスキーだと言わせられるファースト出したい」と意気込みを語ってくれました。

すでに原酒のチェックをしながら候補となる樽にあたりをつけ始めているようで、とても楽しみになりました。

TSUZAKIスタッフ 裕


津貫ウイスキー祭り2018

■蒸留所祭り限定ボトル テイスティング■

蒸留所祭り限定のボトル販売もあり、ウイスキーニューメイク2種とジン1種が販売されていました。今回は、その中からニューメイクをテイスティングしてみました。

どちらもバーボンバレル熟成で度数が59%。シングルカスクのカスクストレングスです。右側青いラベルの「ノンピートタイプ」が664日熟成、左側赤いラベルの「ピートタイプ」が408日熟成、ピートレベルは58ppmです。

◆津貫ニューメイク664DAYS◆
フルーティ、バニラ、ウッディー、蜂蜜。
フィニッシュに樽由来のスパイシーさ、フルーティーさが強く、若いながらに熟成感を感じます。

◆津貫ニューメイク408DAYS◆
香り、味ともにスモーキー。その後にキャンディのような甘さ。
ヘビーピートですが、心地よいピートの香りで、甘みも広がります。

津貫ウイスキー祭り2018
午後の目玉は何といってもコレ!!本坊社長、肥土社長、小正社長によるトークセッションが開催されました。

津貫ウイスキー祭り2018

その中で「思い出のウイスキー」についてお話しされていたお三方。
小正社長はずばり!「エドラダワー」。
肥土社長は、「エドラダワー」「ピアレス ボウモ1966」「グレンモーレンジ アーティザンカスク」。
本坊社長は、学生時代の思い出の味、「カナディアンクラブ ローヤル」「ジャックダニエル黒」「シーバスリーガル」。

それぞれの思い出の味が蒸留所や製造のコンセプトやイメージ、目指すものとして影響を与えているようで、とても興味深いお話でした!!

【マルス津貫蒸溜所・屋久島エイジングセラー】見学レポート

津貫蒸溜所レポート 1


2016年11月10日に鹿児島県南さつま市にオープンした、本坊酒造「マルス津貫蒸溜所」
先日ついに!我々【 洋酒専門店TSUZAKI 】も訪問してきました。

津貫蒸溜所レポート 2津貫蒸溜所レポート 3

蒸溜棟内に入ると見えてくるのが蒸溜器たち。その立ち姿に圧倒されました。
一般見学では、左上に設けられている見学室から見下ろすように蒸溜所内を見学できます。


ジンはこちらのふたつを用いて製造されます。バッチによって使い分けるそうです。真ん中の蒸留機はかつて鹿児島蒸留所で使用されていた単式蒸留機。「光遠」はこちらを使って製造されました。まだまだ現役です!

津貫蒸溜所レポート 9
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蒸溜がはじまり、ポットスチルの色が赤みを帯びてきていました。
初溜釜、再溜釜ともに三宅製作所製。細部にわたって、様々な工夫がなされており、本坊酒造のこだわりが感じられました。

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石蔵樽貯蔵庫。

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和洋折衷の贅沢な空間、来賓館「寶常(ホウジョウ)」は、もともとは本坊社長の生家。改装してバーカウンターを備えたゲストルームとして本坊酒造の製品がゆったりとしたスペースでテイスティングができます。

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旧蒸留塔のなかには、かつてここで使用されていたスーパーアロスパス蒸留器も展示されています。
産業遺産ともいえる資料的価値があり、訪れた際にはぜひチェックしてみてください。

■マルス津貫蒸溜所 所在地■
 鹿児島駅から約1時間の南さつま市にある。公共交通機関を使用するよりもレンタカーでの移動が便利。


そして我々は、屋久島へ!

屋久島エイジングセラー 1

「屋久島エイジングセラー」は、本坊酒造が屋久島に所有する焼酎蔵「屋久島伝承館」の奥にウイスキー原酒を貯蔵するため、2016年6月に新設されました。

屋久島エイジングセラー 2
屋久島エイジングセラー 3

屋久島エイジングセラー内部。現在、マルス信州蒸溜所の樽を30丁貯蔵中。毎年30丁ずつ追加していくとのこと。

屋久島エイジングセラー 5屋久島エイジングセラー 6

稀有な気候を持つ屋久島では、亜熱帯から亜寒帯まで日本のすべての気候帯が詰まっている。九州最高峰の山や豊かな森だけでなく、美しい海や水まで揃っている。そんな環境のなか貯蔵された原酒は、明らかに熟成が信州よりも早く進んでおり3年を待たずに、フルーティさ、熟成感が出ていました。ますます今後が見逃せません。

■ 屋久島エイジングセラー 所在地 ■
屋久島の安房にある焼酎蔵「屋久島伝承館」に併設。見学を希望する際は予約が必要。

屋久島伝承蔵 〒891-4311 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2384
TEL:0997-46-2511

J.ラサール テイスティングセミナー

J.ラサールセミナー

モンターニュ・ド・ランスのRM生産者J.ラサールの当主、シャンタル・デュセール・ラサール氏が来日し、輸入元(株)AMZ主催にて2014年7月テイスティングセミナーが行われました。この日、通訳を務められたのは、フランスで活躍するクルティエ「ソシエ・デ・サカグチ」の坂口かおり氏です。その模様をお伝えします。



シャンパーニュ地方北部に位置するモンターニュ・ド・ランス地区のグランクリュ、ピュイジー村とプルミエクリュ、シニー・レ・ローズ村などに計11.5haの畑を所有するRM(レコルタン・マニピュラン)の生産者です。ドメーヌの所在地シニー・レ・ローズ村を中心に10kmに広がるプルミエクリュのうち7つに畑を所有しています。しかも所有するすべての畑がグランクリュかプルミエクリュとなっています。



J.ラサールセミナー

J.ラサールの最大の特徴は、女性3代で運営される稀有なドメーヌであること。イタリア出身の母、オルガさんは92才(セミナー当時)にしていまだ現役!2006年からは、シャンタルさんの娘、アンジェリーナさんも加わり、それぞれが栽培から販売戦略に至るまですべての仕事を役割分担することなくになっているといいます。

娘さんのアンジェリーナさんはファッション業界の出身で、イヴ・サンローランにも勤めていたことがあるんだとか!彼女が加わったことで、時代に合わせてよりよく変化していこうという新たなセンスとパワーが生まれています。

そんなJ.ラサールのシャンパーニュは、女性ならではのフェミニンさや華やかさに溢れた非常に女性的な味わいであることが特徴です。その評価は著名なシャンパンハウスと肩を並べるほど高いものです。

生産量の80%を海外に輸出。そのうち18%がヨーロッパ。フランス国内は10%です。栽培しているのは、ピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3品種。全体におけるそれぞれの栽培比率は、25%、50%、25%。そのほとんどが父であるジュール・ラサール氏の時代に植樹された樹齢50年あまりの古木です。

J.ラサールセミナー

ジュール氏の時代から使用してきたというプレス機も現役。4000kgを圧搾可能だそう。6000kg圧搾可能な重力を使用する新型プレス機と共に活躍しています。新旧共に3時間程度プレスに要します。一番搾り果汁のみを使用し、それ以外はネゴシアンに販売しています。

プレス後は、12時間清澄を行い、その後加糖します。糖度11度のジュースを加えていきます。ステンレスタンクを新たに導入し、アルコール発酵を行っています。アルコール発酵は、ステンレスタンクで温度18℃でアロマをキープさせ、約8日間行います。その後マロラクティック発酵を行っています。

J.ラサールセミナー

発酵は、パーセルごとに行い、それぞれのキュヴェにアッサンブラージュし瓶詰。熟成期間は、スタンダードキュヴェで4年。ミレジムで10年です。すべてシュール・リーで熟成させています。ルミアージュは、ピュピトルで3週間の間毎日1日2回、1/8回転ずつ手作業にて行っています。

ドサージュには、蔗糖から作られたリキュールとリザーヴワインをベースに行われます。バランスの取れたシャンパーニュに仕上がるよう基本的にはブリュットです。

全てのボトルには、デゴルジュされた日付が記載されています。ボトルの下部に入っていますが、ラベルの下になっているかもしれません。

J.ラサールセミナー

新しいニュースとしては、4haの畑を新たに購入したことです。すべて所有する畑に隣接しており、テロワールを壊すことなく表現できます。この4haの畑を購入したことで、年間15万本の生産を目標にしています。

紹介された娘のアンジェリーヌさんの言葉も印象的でした。

『ワイン業界において女性であるということは、毎日が挑戦です。私の目指すところは、ブドウ栽培家として成功するとともに、自分たちのシャンパンを通して、昔から家系に引き継がれるシャンパンへの情熱を世界中に伝えていくことです。ジュール・ラサールが築いた昔からのスタイルとフィロソフィーを守ることは、私たちにとって何よりも重要なことなのです。』

シャンタルさんは、セミナーの最後にこう語ってくれました。

『父が築き上げたスタイルに女性の時代のフェミニンさ、女性にしかできないことをプラスして皆様にお届けしたいと思っています。』

J.ラサールセミナー


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ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー


コート・デ・ブラン産のシャルドネでブラン・ド・ブランを造り続けてきた稀有なRMシャンパーニュ生産者【ピエール・ジモネ・エ・フィス】。醸造責任者のディディエ・ジモネ氏が初来日!アジア初となるテイスティングセミナーを行いました。輸入元である(株)AMZ主催で行われたセミナーにTSUZAKIも潜入してきました。その模様をご紹介いたします。

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

まずは、少しピエール・ジモネ(以下Pジモネ)についてご説明しておきたいと思います。

シャンパーニュ地方で最高峰のシャルドネの産地コート・デ・ブラン地方。グランクリュは、ほぼシャルドネ品種に限られています。最高級とされるそのシャルドネの確保は大手メゾンにとっても最重要課題です。

そんな中、Pジモネはグランクリュ、クラマンとシュイイを有し、コート・デ・ブラン産のシャルドネ100%で造るブラン・ド・ブランを造り続けてきた稀有なRM生産者です。

チョーク質土壌が広がるコート・デ・ブランは、昔からシャルドネの栽培に適しているとしてシャルドネの銘醸地でした。しかし、彼らほどそのテロワールを純粋に表現しようとしている生産者はいないでしょう。その豊かなミネラルとしっかりとした酸、フレッシュさを保ったピュアなシャンパーニュからは彼らの信念すらうかがえます。

そう、「ミネラル感」「フレッシュさ」「ピュアさ」の3点を大事にし、テロワールをそのまま表現するのが彼らのスタイルとなっています。「コート・デ・ブランでコート・デ・ブラン産のシャルドネ100%のブラン・ド・ブランのみを生産してきた唯一の生産者であること」が彼らの誇りでもあります。

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

セミナーの冒頭、「日本はもとよりアジアでセミナーを開催するのも初めて!こんなに遠くでセミナーをするのも初めての経験で感動しています。」と語ったPジモネの醸造責任者ディディエ・ジモネ氏。佇まいに派手さはないですが、実直さと強い信念と経験に裏打ちされた自信がみなぎっているように見えました。

「ヴィニュロン(ブドウを栽培してワインを造る人)という職業が大好きで夢中で探求してきました。」通訳するのも苦労するほど、熱がこもった様子で話す姿に少し圧倒されてしまうほどでした。

この日、ディディエ氏は自身の畑から、実際のチョーク質の塊を持ってきてくれました。
「検疫で取り上げられないかと心配だったけどね(笑。」といたずらっぽく笑います。

畑の表土は40cm程度と薄く、その下は10m以上チョーク質になっていると言います。そのため、畑にはチョーク質の塊がごろごろしています。

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

「実際に手に取ってみてください。」と来場者に手渡してくれたチョーク質の塊は、少しひんやりとしていて、手についた粒子はとても細かく、なめらかでした。ブドウの根は、このチョーク質からミネラルを吸い上げます。実は、ワインのミネラル感は、科学的な因果関係が証明されていません。ただ、不思議なことにワインにミネラルを感じることは誰もが認めるところです。

Pジモネのカーヴは、このチョーク質を掘って作られたもので、壁面は全てチョーク質。チョーク質がどれだけ深いのかがよくわかりました。

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

Pジモネでは、そういったテロワールの特徴を純粋に表現するために一番大事にしているのが「スピード」です。

「調理と同じで新鮮な素材を素早く処理する早さが必要です。そのため、我々の醸造施設は畑のすぐそばにあります。ブドウを摘んですぐに圧搾することで酸化を防ぎ、フレッシュさを保つことができます。」

実際に、Pジモネでは、収穫から圧搾までは6時間以内。圧搾から24時間以内に低温で清澄し、収穫から2日以内に発酵工程に移ると言います。何ともスピード勝負なのです。圧搾したら何も手を加えないんだとか。それがピュアさにつながるそうです。

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

そして、もう一つ大切なのが「フレッシュさ」です。「スピード」にこだわるのも「フレッシュさ」のため。シャンパーニュでは、異なる年の異なる区画から造られたワインをブレンドするアッサンブラージュが唯一許されたワインです。そのアッサンブラージュに必要な非発泡性ワイン「ヴァン・ド・レゼルヴ」の貯蔵方法にも気を遣っています。

通常、ヴァン・ド・レゼルヴはステンレスタンクで貯蔵されます。Pジモネでは、マグナムボトルに詰替えて貯蔵しています。この方法は、伝統的な方法ですが、手間がかかりすぎるという理由ですたれてしまった方法です。今でもこの方法を行っている生産者はほとんどいません。それでも、「フレッシュさ」を保つためには必要だと考えています。

「ボトルに詰め替えることで酸素に触れる量がすくないので酸化を抑えることができます。さらに、ヴァン・ド・レゼルヴは、シュールリーで2年以上横にした状態で貯蔵させます。澱と触れ合わせることで、ワインに栄養が与えられ、程よく複雑味も生まれます。」

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

そうしてフレッシュさを保ったヴァン・ド・レゼルヴを使い、ほぼすべてのキュヴェにプレミエクリュ「キュイ」産のキュヴェをブレンドしています。「キュイ」のブドウは、酸が強めで、フレッシュな果実味に富んでいます。これが、ジモネスタイルのベースとなっているのです。

ディディエ氏はこう語ります。
「シャンパーニュというのは、絶対にアッサンブラージュして造らなければならないと信念を持っています。シャンパーニュはバランスが重要だからです。そのため、どれだけ大事なキュヴェであっても自分たちのスタイルのベースとなる「キュイ」のキュヴェを絶対に加えています。どれかひとつ突出したキュヴェを造ることでバランスが崩れるようなことは絶対にしたくないからです。」

たとえば、それが高品質志向のRM生産者が集まり組織された「クラブ・ド・トレゾール」が厳しい審査を行い、クリアした物だけがミレジムでリリースする「スペシャルクラブ」であっても同じです。その理由は、彼らのスタンダードキュヴェ「キュヴェ キュイ プルミエクリュ ブリュット サンザネ NV」を飲めばよくわかります。

「どのキュヴェよりも大事に考えているキュヴェで、何よりも先に取り掛かるのはこのキュヴェ造りです。」

サンザネは、Pジモネで収穫されたすべての区画のブドウをブレンドしています。とてもフレッシュでミネラルが豊か!キレも抜群!なんとも後口が爽快で、しかもエレガント。

「テロワールの恵みであるチョーク質由来のフレッシュ感やミネラル感を大切にしたいのです。食事の邪魔をせず、ライトで食欲がわくようなシャンパーニュを目指しています。だから、トロっとしたような飲み疲れるシャンパンは絶対に造りたくありません。」

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ディディエ氏がシャンパーニュ造りで大切にしていることが3点あるそうです。

1.食事の邪魔をしない
2.長期熟成に耐えられる
3.テロワールを素直に表現する

だからこそ、「フレッシュであること」を追求してきたのでしょう。
「フレッシュだから食事と一緒に楽しめる」「フレッシュだから熟成しても味わいが崩れない」「テロワールの特徴だからフレッシュさを大事にする」。見事なまでに一本ピシッと筋が通っています。本当に根っからの職人なんだなと痛感いたしました。

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー

「テロワールのポテンシャルを100%引き出せる力があること。そして、ピュアにテロワールを表現するということ。それらは、ヴィニュロンとしての魂が込められているということです。それが明らかにネゴシアンとの違いだと断言できます。」

シャンパーニュ地方各地の畑からブドウを集めて造り上げる大手メゾンとは真逆の道を貫き、高い評価を得てきたという自負がみなぎる職人としての言葉のように感じられました。

「どうか私がどのキュヴェを好きかは聞かないでください。全て私の子供だからです。」とほほ笑んだディディエ氏。テイスティングしてみると確かにどのアイテムにも共通して「フレッシュさ」「爽快さ」「ミネラル感」「エレガントさ」が感じられました。和食との相性もとてもよさそうです。

「私のシャンパーニュ造りの哲学や情熱を感じ取っていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました。」
とセミナーを締めくくりました。魂のこもった真のヴィニュロンでした。

ピエール・ジモネ テイスティングセミナー





信州マルス蒸溜所訪問レポート

TSUZAKIレポート 信州マルス蒸溜所見学


2014年11月に信州マルス蒸溜所(現マルス信州蒸溜所)を訪問。

ウイスキートーク福岡を主催する「クラブバッカス」のメンバーとともにオリジナルボトルの樽選定もかね、蒸溜所や熟成庫の見学をさせていただきました。

その模様をちょっとだけご紹介いたします。



TSUZAKIレポート 信州マルス蒸溜所見学

 

実は、偶然にも訪問の直前にポットスチルを入れ替えたばかり!!


「このポットスチルはまだ火入れしていないのでこんなにピカピカなんです。 これが一旦火を入れると、皆さんも見慣れていらっしゃる赤茶色の銅色に変化します。パーッと変わっていくんですよ!」


なかなかお目にかかることができない新品のポットスチル。この状態のものを目にできたのは大変貴重な経験となりました。


TSUZAKIレポート 信州マルス蒸溜所見学

 

旧ポットスチルは、マルス蒸溜所の歴史の象徴として蒸溜所の敷地内にオブジェとして展示されています。強く手で押すと変形してしまうくらし薄くなってしまっている部分もあるのだとか。


まさに、身を削りウイスキーを生み出してきた老兵は今は静かに蒸溜所の片隅で新たな息吹を見守っています。



TSUZAKIレポート 信州マルス蒸溜所見学

 

マルスの熟成庫はラック式で、天井高くまで樽が保管されていました。樽の大きさも大小さまざま。熟成に応じて樽の位置を入れ替えたりもするそうです。どんな樽に育っていくのか今からワクワクします。


これからどんな復活劇が始まるのか、ますます目が離せない信州マルス蒸溜所です。


「幻の大麦」 奇跡の復活物語

TSUZAKIレポート 元木氏(アラン蒸溜所にて)

皆様はベア種という大麦品種をご存知でしょうか。19世紀末までにスコットランドでウイスキーの原料として広く栽培されたそうです。

その後、効率的なアルコール生産のため繰り返された品種改良で多くの畑からその姿を消していったいわば忘れ去られた幻の大麦です。

そのベア種を種の維持のために大学で細々と継続的に栽培していたものををアラン蒸溜所で特別に2週間限定で仕込んだのです。現行の品種と比べ著しく歩留まりが悪くおよそ効率的な生産とはいかない難物だったそうですが、苦労を重ねた末に生産されたスピリッツは非常に素晴らしくまさに想像を超えた出来栄えであったとか。

ウイスク・イー社(当時)の元木陽一氏はまさにこの復活プロジェクトにアラン蒸溜所の公式スチルマンとして携わり苦労の末「ベア種」によるウイスキーを復活させた一人なのです。

元木氏にお会いしたのは今年2月福岡市内で開催されたイベント会場のウイスク・イー社のブース。お勧めは?とお尋ねしたところ

「これは僕が造りました」

と指差したのが「アラン8年オークニー・ベア」でした。

その味わい今までに味わったことのないものでした。独特の複雑さや香ばしさを持ち「面白い!」と思わず声がでました。

やや地味な印象のアランですがそのスピリッツは実に熱いものがありこれから見逃せない存在です。

アラン8年 オークニー・ベア



「ベア(BERE)」と呼ばれる麦品種は9世紀ごろ、オークニー島を支配していたバイキングによって持ち込まれた

六条麦で、文献上スコットランド最古の麦品種です。その時代の麦としては成長も早いことから、アウターヘブリディーズやシェトランドにも広く伝わりました。

ところが19、20世紀ごろになると北欧から改良された、もっと成長の早い麦品種が多く輸入されるようになり、「ベア」の栽培は一気に減少し、オークニーと周辺の島々を合わせても15ヘクタールに満たないところまで生産が減少しました。

現在は畑を代々受け継いでいる農家が家庭でパンやクッキーを焼くときぐらいしか使用されておらず、今回のプロジェクトのためにAgronomy Institute of Orkney Collegeの協力で特別に栽培されました。

アラン オークニー・ベアはアラン蒸溜所で2004年、試験的に、この希少な最古の麦品種「ベア」を使用し2週間だけ製造しました。この「ベア」は、マッシング(糖化)から手こずり、糖度が上がらず、ろ過工程で頻繁に目詰まりを起こし大変な苦労がありました。

糖度が上がらないということは、通常の麦芽よりもスピリッツの採取量が少なくなります。しかし雑味が少なく、クリアな麦汁を最大限に生かそうと、蒸溜のスピードを極限まで落としました。ミドルカットの幅も狭めた結果、一日で生産されるスピリッツは平均500L以下という大手では考えられないほどの生産量でした。

しかし苦労して出来上がった液体は、想像を超えて素晴らしい出来栄えでした。「純粋」という言葉がぴったりです。8年間、リフィルのバーボンバレルで静かに熟成しました。

グラスに注ぐと、焼きたてのショートブレッドの優しい雰囲気から漂います。ゆったりと目を覚まし、甘美で香ばしいアップルパイが、スウィートジンジャーのアクセントを伴います。期待を込めて一口含むと、ほのかな潮風、クリーミーで、バニラビーンズや麦芽の甘さに思わず目を閉じます。長い余韻で、くすぐったい山椒のようないじらしさに笑みがこぼれます。

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